父が残していった借金

会社の経営難

小さいながらも自分で会社をやっていました。

しかし金遣いが荒かった父は、何かと理由を付けては会社からお金を持ち出していた事を後で経理に聞く事になります。 何度も注意しましたがその金遣いは治りませんでした。

そんな折、不況の波を受け会社自体も経営が厳しくなってきました。 数人いた従業員も一人減り、また一人減りと給料を払えないせいで辞めてもらうしかなかったのです。

それでも、父は最後まで家や土地を担保にいれてまでも借金を繰り返しました。 なんとかギリギリのところで、イタチごっこの様に仕事をしては借金に消えの状態が続きます。

借金があることを知る

そんな時、急に父親が他界してしまします。 そこで、初めて数千万円もの借金がある事が分かります。

最初はなんとか返そうと必死で働き、借金返済が滞ると、別のマネー会社からお金を借りて返すというとても苦しい状態を繰り返していました。 友人や知人、親類も手を貸してくれましたが、それでも借金は一向になくなりませんでした。

払えきれないと思った私は、遺産放棄しました。 それは同時に、担保に入っていた家もなくなるという事でした。

それでも、情けをかけて頂きしばらくは住み続ける事ができました。 その間も、家を手放したくなく懸命に借金を返済できるように何とか資金繰りをしていましたが、それもなかなか追いつかずに、ついに家を競売にかけて借金をなくす事にしました。

良い土地だったので、競売はすぐに決まりました。 長年、住み慣れた家を手放すのは悲しかったけれども、これでまた新しく1から出直せると思えば心も軽くなりました。